第145回 3月23日(日) 吉原
美貌と品格を備え、教養や芸事にも秀でた遊女たちのいにしえの姿を
思い浮かべながら歩く仲の町
去年は東京藝術大学が大展覧会を催し、今年は大河ドラマの舞台として、昨今、大注目の吉原。
江戸時代、江戸随一の歓楽街として賑わった吉原も、今やいにしえの面影はほとんどなくなってはいますが、実は遊郭の町割りはそのまま。お歯黒ドブの痕跡も残っています。山口先生の解説とともに、美貌と品格を備え、教養や芸事にも秀でた遊女たちの姿を思い浮かべながら歩く仲の町、「生きては苦界 死しては浄閑寺」と川柳に詠まれた遊女たちの悲しい物語に想いをはせる浄閑寺。助六が揚巻と遊び、治郞左衛門が八ツ橋に振られた廓のすぐ外には、「たけくらべ」の樋口一葉の旧宅。盛りだくさんの歴史散策です。
そしてこのコース最大の魅力はもう一つ。一度は行ってみたい名店として有名な普茶料理の店「梵」。毎回、「梵」をお目当てに参加される方もたくさんいらっしゃいます。
<コース>
浄閑寺~目黄不動尊~千束稲荷神社~大音寺~飛不動尊~
樋口一葉旧居跡~お歯黒溝跡~見返り柳~新吉原遊廓跡~
吉原大門跡~吉原神社~吉原弁財天~長国寺~鷲神社
ランチ
梵(ボン) (普茶懐石)
☆350年前の江戸の社交場「吉原」散策のあとは、300年前に中国、明の隠元禅師が伝えたという精進料理を、時の流れを忘れるようなたたずまいの「梵」でお楽しみ下さい。「梵」は「宇宙」を意味しています。まさに時空を超えたひとときをお過ごしいただける1日になるはず。毎回このコースは「梵」でのお食事目当ての参加者も目立ちます。
<集合場所>
東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅 出口3(北千住寄り) 改札前

第146回 4月5日(土) 江戸城
巨大な天守閣も、長い松の廊下も見えてくる江戸城散策へご案内
お江戸の歴史は江戸城築城から。将軍が政務を行った「本丸」、忠臣蔵で知られる「松の廊下」そして権勢を誇った「大奥」へ。解説を聞きながら歩けば、徳川幕府の夢の跡が鮮やかに甦ります。吉原からスタートした今シーズンのまちあるき、続いては、お江戸の中心「江戸城」入城です。
忠臣蔵の舞台となった松の廊下跡、本丸の遺構である富士見櫓や天守跡などをめぐりながら、「武士の街」としての江戸を山口先生の解説で歩きましょう。歴史散策とともに、シュンラン、カタクリ、ヤマツツジ、など春の花が咲き誇る皇居東御苑の散策もお楽しみください。この時期、皇居乾通りは桜の開花に合わせて一般公開されます。タイミングがよければ、ソメイヨシノをはじめオオシマザクラ、枝垂れ桜、紅しだれ、エドヒガンなど様々な品種の桜をお楽しみいただけるかもしれません。
<コース>
大手門~大手三の門~中の門~中雀門~松之大廊下跡~
天守台~北桔橋門~二の丸庭園~平川門
ランチ
KKRホテル 展望レストラン芙蓉 (和定食)
☆緑豊かな皇居の杜を一望できるレストランです。“東京でいちばん近く見える皇居の美しさ”を堪能しながら、匠の技の板長が繰り出す日本料理をお楽しみください。
<集合場所>
皇居東御苑 大手門前
*東京メトロ・都営地下鉄各線「大手町」C13a、C13b出口すぐ
*JR東京駅丸の内北口より徒歩10分

第147回 4月20日(日) 上野の杜と寛永寺
幕末、激動の時代をくぐり抜けた上野の杜は大河ドラマの常連
江戸幕府ゆかりの寛永寺。幕末、激動の時代をくぐり抜けた上野の杜は歴史の宝庫です。
江戸末期から明治はじめにかけての激動の時代を生きた人びとが登場する大河ドラマ。ここ上野の杜と寛永寺は数々のドラマの舞台として登場しています。最近では2018年の「西郷どん」。彰義隊が立て籠もり、その戦火により寛永寺は焼失。さらには去年発行された新一万円札の顔、渋沢栄一の生涯を描いた2021年の「青天を衝け」。徳川慶喜の信頼を得て幕臣になった渋沢は、幕末から明治維新にかけて政治・経済の世界で多くの仕事をして、近代日本の礎を築いたことはよく知られます。歴代の徳川将軍の墓所の隣にある寛永寺霊園があり、そのそばには渋沢家の霊堂。徳川将軍家菩提寺の大寺院跡は、激しい戦争を経て近代公園へと変貌を遂げた歴史の宝庫なのです。
<コース>
西郷隆盛像~彰義隊墓碑~清水観音堂~輪王寺両大師堂~旧本坊表門~
四代将軍勅額門~五代将軍勅額門~寛永寺(根本中堂)~
旧因州池田屋敷表門~上野東照宮~上野大仏~五條天神社
ランチ
洋食 さくらい (絶品オムライス)
☆上野広小路駅のすぐ近く。昔ながらの懐かしい味が愉しめる【厳選洋食さくらい】。上野界隈で美味しいと評判の誰もが知る洋食屋です。昔ながらの洋食に今様を織りまぜながら、吟味した厳選素材を用いた料理の数々。どこか懐かしくも洗練された味が特徴です。今回は大人気のオムライスをご提供。ブイヨンで炊いた米に玄米、白米の3種をブレンドして炒めたケチャップライスは、お米の一粒一粒に旨味がしっかりと染みこんでいます。黄金色のふわとろ卵で包み込み、ソースはトマトと香味野菜をじっくり凝縮されるまで煮詰めた自家製トマトケチャップとじっくり2週間かけて創った秘伝のデミグラスソースの2種。木の温もり溢れるスタイリッシュな空間で絶品オムライスをお楽しみください。
<集合場所>
上野公園山王台広場、西郷隆盛像前
*JR、東京メトロ銀座線「上野」駅不忍口から1~2分
*京成電鉄「京成上野」駅正面口から1~2分

第148回 5月6日(火・振替休日) 板橋宿
連休最終日は日本橋から約10㎞、中山道六十九次最初の宿場、
板橋宿へご案内いたします。
江戸時代、日本橋を起点に整備された五街道。中山道の板橋宿は江戸を出て最初の宿場として、東海道の品川宿、甲州街道の内藤新宿、奥州・日光街道の千住宿と並んで栄えていました。宿場には茶屋や酒楼、旅籠があり、旅人のみならず見送り人や飯盛女と呼ばれる女郎目当ての客なども集まり、たいそうな賑わいを見せていました。ドラマ「べらぼう」の冒頭では、主人公蔦重が、こうした宿場女郎や岡場所に客を取られた吉原に活気を取り戻そうと奔走していましたが、その頃の宿場町は吉原のライバルでもあったというわけです。明治に入り、宿場機能がなくなっても宿場の遊郭は健在。板橋遊郭へと変貌した板橋宿も戦争中までその賑わいが続いたということです。
まちあるきには最適なシーズン、連休最終日には江戸四宿でもなかなか足を踏み入れることがなさそうな板橋宿を、ご一緒に歩いてみませんか。
<コース>
縁切榎~板橋~中宿脇本陣~文殊院~板橋宿本陣跡~旧水村玄洞宅~
遍照寺~平尾宿脇本陣跡~観明寺~東光寺~平尾追分~近藤勇墓碑
ランチ
ピアンタ (イタリアン)
☆「食場を通じて、人を幸せにする」がモットーのレストラン。アットホームなおもてなしが魅力のお店です。
場所はゴールのJR板橋駅前。近藤勇の墓碑すぐ近くです。
<集合場所>
都営地下鉄三田線「板橋本町」1番線ホーム改札口、出たところ>>

第149回 5月24日(土) 日本橋
「日に千両の落ちどころ」 日本橋は江戸の人々の舌を喜ばせて大もうけ
吉原で成功した蔦屋重三郎が事業拡大を目論んで進出した日本橋。江戸の中心地日本橋は、川柳に「朝昼晩三千両の落ちどころ」と詠まれた三か所のひとつでした。夜の千両、吉原からスタートした2025年度のお江戸まちあるき。「べらぼう」シーズン最後は朝の千両、変貌遂げた日本橋へ、ご案内します。
五街道の起点、日本橋は日本橋川の水運にも恵まれた場所。川沿いの「魚河岸」は最高の物流拠点でもありました。毎回大人気の日本橋川クルーズでは、船が活躍した江戸の町に思いをはせていただきましたが、今回はその反映ぶりを陸上からご確認いただきましょう。
今から百年前の1923年、関東大震災により壊滅した魚河岸が築地に移るまでの300年以上、日本橋は江戸の食文化を支えてきました。江戸の繁栄を象徴する日本橋は魚河岸がなくなっても、日本の歴史と文化の中心であり続け、今なお進化し続けています。江戸っ子にとって長年の夢だった日本橋の上を通る高速道路の撤去も進んでいます。日本橋の変貌も含めて、お江戸まちあるきをお楽しみください。
<コース>
日本橋魚河岸記念碑~晒し場跡~名水白木屋の井戸~
日本橋西河岸地蔵寺教会~夢二・港屋ゆかりの地~一石橋~日本銀行本店~
常盤橋門跡~十軒店跡~石町時の鐘衝堂跡~夜半亭跡(与謝野蕪村旧居)~
長崎屋跡~福徳神社~塩河岸跡~三浦按針屋敷跡
ランチ
日本橋イチノイチノイチ (江戸切り蕎麦膳)
☆日本橋一丁目一番一号…所在番地がそのまま店名になったレストランです。五街道の中心地であり400年の歴史を刻む日本橋を眺めながらのランチは格別です。江戸っ子といえば蕎麦切り!目にも舌にも嬉しいお江戸をお楽しみください。
<集合場所>
『熈代勝覧(きだいしょうらん)』の前 >>
*200年前の日本橋が描かれた17mの複製絵巻が、東京メトロ「三越前」駅地下コンコース壁面に常設されています。
・銀座線「三越前」駅三越方面改札から徒歩1分
・半蔵門線「三越前」駅日本橋方面改札から徒歩3分